野村克也氏の座右の書。処世訓の最高の書。
今回は、中国の名言集「論語」、謀略の知恵袋とも言われている「孫子」に並ぶ名著「菜根譚」の内容を踏襲しつつ、特に共感した「人生の指針となる名言」にフォーカスしてみましょう。
「本当の敵は自分のこざかしさ」
・利益を求める欲望の心は、必ずしもすべてが本心を害するものではないが、意固地な意見は、かえって心をむしばむ害虫となる。官能を楽しむ性欲は必ずしも道の障害となるものではないが、生半可な聡明さは道をさえぎる障害となる。
「一歩高く一歩引く」
・身を立てようとすれば、世俗よりも一歩を、抜け出ていなければならない。また世に処する態度として一歩譲る気持ちがなければ進退窮まってしまう。
「口を開く度合い」
・いつも静かで何も語らない人にあえば、しばらく控えめにして心を許してはならない。一方遠慮なく何でもしゃべって得意になっている人を見たら軽々しく口を開いてはならない。
「地位身分を極めない」
・行動は高尚すぎてはならない。高尚すぎると誹謗中傷がやってくる。
「水を得て水を忘れる」
・この俗世にあって俗世を忘れてしまえば、天然の神妙なはたらきを楽しむことができる。
「中くらいがよい」
・花は五分咲き、酒はほろ酔いくらいがちょうどよい。
まとめ
「菜根譚」は、くどくどしたお説教ではない。著者自身の体験から絞り出された、処世訓である。逆境にある人には共感を得られ、心の支えになることでしょう。